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WordPressとは、ブログやサイトが簡単に作れる無料のツール
WordPressとは、とても簡単に言うと、ブログやサイトが簡単に作れる無料のツールです。
通常のWebサイトは、HTMLという形式のファイルにテキストと画像を「タグ」と呼ばれる言語ルールで配置して、そのファイルをサーバーにアップロードして初めて、Webページを公開・閲覧することができます。
WordPressを含むCMSと呼ばれるページ生成ツールでは、(簡単な使い方をする限り)管理画面(ダッシュボード)にテキストを打ち込んで画像を配置すれば、わざわざファイルをアップロードすることなく、そのまま公開できます。タグを使わなくても、テキストを打ち込むだけでできてしまいます。
そして全てがサーバー上で操作できるため、ファイルをサーバーにアップローするという作業が要りません(ただし、これには重要な注意が必要です)。
WordPressを使えば、簡単なブログをすぐに作って始めることができるのです。
以前は似たようなツールでMovable Type(ムーバブル・タイプ)が流行っていましたが(現在もあります)、現在では圧倒的なシェアを誇るのはWordPressで、世界中で多くの人に利用されているようです。
CMSとは何かは、こちらをご覧ください。
動的サイトって何?
以前流行っていたMovable TypeとWordPressを比べると、一番明確な違いとしては、「静的サイト」なのか「動的サイト」なのか、ということが良く語られます。
基本的には、Movable Typeは「静的サイト」を生成し、WordPressは「動的サイト」を生成します。
さて、「静的サイト」と「動的サイト」って何なんでしょうか。
まず「静的サイト」とは、基本的にHTMLという形式のファイルによってできていて、(更新しない限り)誰が見ても同じ内容が表示されます。
これに対して「動的サイト」は、閲覧者の要求によって内容に変化がありえるのです。
例えば、会員になっている通販サイトでこれまでの「購入履歴」というページを見るときには、「購入履歴という、その人固有の条件によって生成されたページ」を見ることになります。他の人の購入履歴は、あなたのとは違うでしょう。静的ページのように、「誰が見ても同じ購入履歴ページ」が存在するわけではありません。
あるいは、乗り換え案内サイトで、ある駅からある駅までのルートや所要時間や運賃を調べるとき、それがどの駅なのか、いつの時間帯なのかなどの条件によって、様々な検索結果を見ることになります。
このような、「閲覧者の要求(リクエスト)に応じた内容を生成する」のが「動的サイト」です。
1箇所を更新すると、あらゆる箇所に反映される
WordPressを含めてCMSの便利な点に、更新内容があらゆる箇所に自動的に反映される、ということがあります。
例えば、ページ名を変更した場合、メニューにおいても、そのページが登場する一覧においても、変更が自動的に反映される、という具合です。
一方静的サイトでは、おおよそ、変更箇所を手動でひとつずつ更新していかなければなりません。ページ名を変更したら、そのページが載っているメニュー、一覧などでも、ひとつずつ漏れのないように更新をしていくと言う具合です。
Webオーサリングソフト(Webページを構成するHTMLやCSSなどを編集するソフト)では、一括して更新する機能がある場合もありますが、漏れなく更新するためにはやはり人の目で注意が必要ですし、更新したファイルは漏れなくアップロードする必要があります。
サイトの規模が大きくなるほど、ひとつの更新箇所の影響は多岐にわたると思います。
大規模な静的サイトにおいては、サイト全体にわたる更新をする場合にかなりの注意が必要になり、規模が大きいほど注意すべき箇所が増えてくるため、ミスが発生する可能性も増えてきます。
その点、WordPressのようなCMSでは、変更が自動的に反映される場合が多く、正確、ミスの少なさがメリットになるはずです。
バックアップをとっておく必要
WordPressの注意点はいくつかありますが、作業において重要なのは、「バックアップをとる」ということでしょう。
サーバー上で展開して更新していくため、意図してファイルをダウンロードしない限り、ファイルのバックアップがありません。
その状態でもしサーバー上のファイルの更新ミスをしてしまったら、あるいは誤って削除してしまったら、基本的に元に戻すことはできません(リビジョンの履歴を戻すことでコンテンツのファイルを以前の状態に戻せる場合はありますが、機能のファイルを戻すことはできません)。
ミスした場合に取り返しのつかないことになる可能性を秘めているのです。
実際に、一生懸命作ってきた機能や内容を誤って失ってしまったという例は、よく聞かれます(筆者にも経験があります)。
ですので、望ましいのは、ローカル(PC上)に必要なファイルをダウンロードしてオフラインで編集し、アップロードするようにするか、あるはプラグインによってバックアップをとっておく、という形です。
オフラインで編集することについては、以下のページを参考にしてください。
この点だけを見ると「これでは静的サイトと同じ手間がかかるではないか」と思われる人もいるかもしれませんが、それはバックアップを意識した範囲のことであり、WordPressの多くの機能面では、静的サイトにはできない自動的・システム的な連携動作・管理が可能になり、比較にならないほどの効率アップを実現できるはずです。
中規模・大規模サイトを作る場合には、現在ではWordPressの利用をおすすめします。
まとめ
- WordPressとは、ブログやサイトが簡単に作れる無料のCMS。
- WordPressサイトは、閲覧者のリクエストに応じて表示する「動的サイト」。
- 初級者でも手軽にサイトを構築することができる。
- サーバー上で展開するのでファイルのバックアップがないため、必ずバックアップをとること。