ヒトザルを進化させたモノリス

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400万年前。
アフリカの荒野に生きる
ヒトザル(原人類)の群れ。

飢餓にさらされながら
草の根をほじり、食料を探す。

夜は凶暴な獣の来襲を避けて
岩場に身を潜めて休む。

この時代においては、彼ら人間の祖先は、常に絶滅の危機と隣り合わせている弱者の集団だ。

 

ところが、ある朝目覚めると、
彼らの前に、一枚の漆黒の石版(モノリス)が立っている。

モノリスは、
全く光を反射しない
表面が滑らかな四角柱で
4~5メートルの高さ。
各辺の比は1:4:9という幾何学的な物体。

その時代の
地球上の生き物が作ったものでは、
とうていありえない。

 

ご存知の方も多いでしょう。
スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」の冒頭のシーンです。
脚本には、SF作家の巨匠アーサー・C・クラークも参加しています。

このヒトザルのシーンは、
「THE DAWN OF MAN」
(人類の夜明け)
というタイトルで始まります。

 

さて、そのシーン、
目覚めたヒトザルたちは、
そびえ立つモノリスを見てパニックに陥る。

無理もない。

それまで見たこともない
異様な物体が
突如、自分たちの岩場に現れたのだから。

恐怖でモノリスから離れ
叫び声を上げながら、遠巻きに様子をうかがう彼ら。

しかしやがて、
そのうちの一匹が
恐る恐るモノリスに近づき、触り始める。

モノリスは何も反応しない。
彼らを襲って来ないし、
威嚇もしてこない。

次第に落ち着き始めるヒトザルは、
一匹、また一匹と、
モノリスに吸い寄せられるように近づき、その表面に触れる。

まるで、モノリスと無言で対話をするかのように。

 

このことが起きてから
何日が経ったのか。

ヒトザルの一匹が
いつものように
めぼしい食料を探して
地面を漁っているとき、彼に重大な変化が訪れる。

あの日見たモノリスの姿が
フラッシュバックする。

そして、彼が何かの考えに「気づく」。

近くに転がっていた
獣の骨を手に取り、
他の骨に振り下ろしてぶつけ、叩き始める。

打撃はエスカレートし、
やがて、渾身の力で
そばにあった骨を
叩き割り、粉砕していく。

その瞬間、
地面に転がっていた
何の意味もなかった骨は、
「武器」という道具になった。

ヒトザル(つまり人類)の
歴史の中で
彼は、初めて「道具を使う者」となった。

 

「武器」を手に入れた彼の群れは、
獣を倒し、食料を得て、
「飢え」から開放された。

さらに、
水場を奪い合って対立する
別のヒトザルの群れを「武器」で蹴散らし、水場を支配した。

このとき、
敵との戦いに興奮した彼が、
空中に投げた骨が
一瞬にして人類の宇宙船に変わる、
400万年を瞬時に超える、この映画で有名なカットが現れます。

この映画では、
「道具の発見」という一歩が、
やがて宇宙へ進出するほどの知恵を身につける人類の進化を促したことを、暗示します。

 

 
 
 
 
 
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400万年前のあの日、
モノリスに触れたヒトザルは
何匹もいましたが、
「気付き」を得たヒトザルは、その中の一匹。

彼は先駆け的存在です。

 

同じ経験をしているのに、
受け取り方、
気付き方、
そして行動への結び付け方は、
ヒトザルによって違う

これは、
現代の我々の
生活やビジネスにも、ありますよね (^-^)

ヒトザルはそのまま、
我々現代人です。

 

同じものを見ても、
人によって
受け取り方は違い
ひいては役立ち方も違う。

ほんの少しのヒントで
多くのことを想像するのか。

多くを見ても聞いても
ピンと来ないのか。

その人の感受性によって、
あるいは、日ごろのアンテナの立て方によっても、受け取るものは違います。

400万年前、
地面に転がっている骨が、
まさか獲物を仕留めたり、
他のヒトザルを倒せるなど、
彼らは、それまでは全く気づきませんでした。

それもそのはずです。
「骨」と「力」
「骨」と「威力」
「骨」と「獲物」
「骨」と「戦い」
そんなものは、彼らの頭の中では全く結びついていなかったのですから。

 

我々もきっと、
多くのことに気付かずに、
結びつきを見逃しているのかもしれません。

いつも見ているものが
意外な価値をもたらしたり、
思わぬ力を生み出すことに、
きっと、まだまだ気付いていないのです。

新たな結びつきを
発見した瞬間にこそ、
大きな跳躍ができるのかもしれません。

 

気付いたとしても
次には、
新たな考えを
実行できるかどうか。
ここにも、ハードルがあります。

「いい考え」だけれども、
今はまだ時期尚早だ。

「いい考え」だけれども、
実際にやってみる自信がない。

「いい考え」だけれども、
もう少し様子を見よう。

こうした躊躇は、
裏を返せば
変化を拒む「防衛本能」なのでしょう。

しかし、
進化しようというときに
足を止めていては、
変わることはできません。

 

ヒトザルが
「道具」を見つけたときの「情動」。

興奮、喜び、
いてもたってもいられない、
やらずにいられない感情、
エネルギーが満ちた瞬間、
こうした「とき」を、
逃してはならないのでしょう。

 

「2001年宇宙の旅」では、
ヒトザルだけではなく、
現代の人間が
劇的に進化するらしきシーンがあります。

ここまで書いておいてですが、
これ以上は、
観ていない人にネタバレなので、
控えておきます (^-^)

 

僕がこの映画の
「進化」という面で重要だと思うのは、

ヒトザルの場合も、
現代人の場合も、
探究心を持って一歩踏み出した者に、変化のきっかけが与えられているように見えることです。

ヒトザルの場合には、
得体の知れないモノリスに
恐る恐る触れて
それが何者なのかを確かめようとした者に。

現代人の場合には、
地球からはるか7億5000万km彼方の木星に、命がけで訪ねた者に。

それぞれ超常的な
進化の手助けが与えられます。

 

探究心、
勇気、
実行したいという欲求。

生活でもビジネスでも、
これらを大事にして
余計に考えすぎず、

まるで少年・少女のように
素直に行動することが、
奇跡や成功を生み出すのかもしれませんね。

 

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