アジアで一番仕事に自信がない日本人

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2018年の秋、
リンクトイン・ジャパンという会社によって、
アジア太平洋地域の9カ国について、
「仕事で実現したい機会に対する意識調査」
が行なわれました。

中国、香港、インド、インドネシア、
マレーシア、フィリピン、シンガポール、
オーストラリア、日本の9カ国にわたり、
18~60歳のビジネスパーソン1万人以上を対象としました。

アジア太平洋地域は、
世界でも、GDPの伸びが速い地域だそうです。

その地域で、マーケットが成熟した国と発展中の国とで
「意識にどんな差があるのか」を知ることが、
この調査の目的のひとつでした。

調査の中に、
仕事の機会を得て、それを実現していく自信があるかどうか
という質問がありました。

その質問に対して、
「自信がある」と回答した割合が高い1位・2位は、
それぞれインドネシアとインドだったそうです。
両国とも、急速に経済成長が進む国です。

そして、
9か国中一番割合が低い国が、
「日本」でした。

つまり最も「仕事に対する自信がない」のが日本人だったのです。

 

ショックな結果です。

でも、自分自身や周囲の人々を眺めてみると、
どこか、思い当たる部分がないでしょうか?

「この仕事が好きだ!」
「なんとしてもこの仕事を獲得して、成功してみせる」
「この仕事は自分に任せてください!」
と、胸を張って言えるでしょうか?

もちろん、言える人もたくさんいるでしょう。

しかし、

「仕事をつかみ取る自信なんて、全くない」
「競争が苦手だし、始めても失敗するかもしれない」
「失敗したら、きっと立ち直れない」
「一か八かでチャレンジするのなら、今のままでいい」
そう考える人も、数多くいることでしょう。

この9カ国の調査では、
自己肯定感が低い
失敗を恐れる
という日本人の姿が、浮き彫りになったそうです。

(9カ国の調査内容は、BUSINESS INSIDER JAPANから抜粋・引用。
メルマガ用に調整しています)

 

現代のアジアで、最も仕事に自信がない日本人。

かつてアジアをリードしていた日本の
意欲やエネルギーは、
残念ながら、この調査では少しも見えません。

そして、もっと深刻なことに、
これは仕事だけのことではない
と、誰もが感じるでしょう。

我々日本人の、精神や気持ちの大きな問題が、
この調査結果に表れていないでしょうか。

 

我々が抱える、この精神的な問題は、
このコラムで、何度か書いてきました。
(きっとこれからも書きます)

根本では、
子供のころから(家庭、学校で)受けてきた
教育の影響が大きいでしょう。

「みんなこうしているよ(だからあなたもそうしなさい)」
「ほら、それでは失敗しちゃうよ(だからやめようね)」
「ちゃんとできるようになってから、やってみようね(まだやらないでね)」

そして、
社会生活の中で植えつけられる価値観、
様々な日本社会のルール。

「人に迷惑をかけてはならない」
「和を乱してはならない」
「おとなしく、周りと同じであることが求められる」
「自由な発想・行動は歓迎されない」
「はみ出し者、よそ者を認めない」
「無茶をせず、堅実にコツコツ働くことが一番だ」

これらの「村社会」的な縛りが、
人が本来持っている個性、意欲、発想、行動を
奪ってしまっているように感じるのは、
僕だけでしょうか?

アジアで一番仕事に自信のない国。
これがその実態なのかもしれません。

 

よく例えられる、
映画「マトリックス」のような状態です。

生まれたときから後頭部にプラグを付けられて、
いっさいを管理され、
自由に生きていると思っていてもそれは幻想で、
作られた仮想現実の中で、盲目的に生きている。

これがマトリックスの世界です。

現実の日本の社会では、
この仕組みが「常識」という形で、
出来上がってしまっていないでしょうか?

もちろん、「人に迷惑をかけない」ことや
「和を大切にする」ことは、
社会で生きるうえで大切なことでしょう。

しかし、
それらが人の個性よりも優先されてしまって、
自由な精神性が奪われていないでしょうか?

 

そもそも我々は、
次のようなことを教えてもらっていません。

人はそれぞれ違った個性を持っている。
(自分と違うからといって、否定してはならない)
自由に発想することには価値がある。
自分が納得できることこそ、大事だ。

思ったことをまずやってみることが大切だ。
失敗することは悪いことではなく、
失敗から得る情報もいっぱいあり、
成功への通過地点だ。
だから、まずどんどん実行して、試してみよう。
一番いけないのは、怖がって何もしないことだ。

人がやっていないことを、やってみよう。
人が考えてもみないことを、考えてみよう。
自分独自の成功を、つかみとってみよう。

 

こんなことを、我々は教えてもらっていません。

 

教えてもらっていませんが、
だからといって、
教えてくれなかった学校や社会のせいにしても、
何も解決しません。

成功している人は、
それを自分でつかんでいるからです。

あらゆる事例を見ても、
実際に周りの成功者を見ても、そうなのです。

 

「成功している人」とは、
マトリックスのプラグを抜くことができた人です。

常識から自由になった人、
お金や労働の呪縛から解放された人、
精神的に独立し、自由になった人です。

マトリックスのプラグを抜くということは、
「自分を再教育」すること、
とも言えるのかもしれません。

 

成功者が大事にしていることは、
実は特別なことではないと思います。

例えばこんなことです。

  • 言い訳をしない。
  • 失敗を人や状況のせいにしない(自分が責任を取る)。
  • 必要な「危機感」を持つ(曖昧にしない)。
  • 人に対して義理堅い。
  • 協力者に対して深い感謝心を持つ。
  • 人と腹を割って話す。
  • 前向きな人と時間を過ごす(ネガティブな世界に身を置かない)。
  • 小さな「ゴール設定と達成」を繰り返して、
    自分の「達成感(ごほうび)」をうまく利用する。
  • 逆境であっても、どこか楽しむ。

おそらく、誰にでもできることも多いと思います。
ただ大きく違うのは、
成功者はこうしたことを「習慣」にしているのです。

「習慣」とは、継続することであり、
一度やって終わり、というわけではありません。

成功者は、「習慣」にすることでそれが「身に付く」ことを、
自然に理解しているのです。

そして何より、意欲を持って楽しんでいます。
失敗したら、「ああ、うまくいかなかったよ」
と言って笑い飛ばし、
そればかりにこだわることなく、
次のことにチャレンジしていきます。

失敗から、大きなダメージを受けません。
全てがうまくいくわけではないことを、
知っているからです。

 

我々にとっては、
これまでの人生で教わった「常識」を
見直して、疑ってみること。

そして、大人になってからでも
改めて学ぶこと。

これは、真に健全に生きていくうえで、
重要なことなのかもしれません。

 

「常識とは、18歳までに身につけた
偏見のコレクションのことをいう。」

-アインシュタイン-

 

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