35億円の借金を完済した男

運営者コラム
この記事は約5分で読めます。

当記事は「わかるWeb」メールマガジンの過去記事です。メールマガジンの登録はこちらです!

Pocket

私たちの生涯年収(一人の人が一生涯に稼ぐ年収の累積)って、いったいどのぐらいなんでしょうか?
日々コツコツ働いて、死ぬまでにいったいいくら稼げるのでしょうか?

 

「年収ガイド」「独立行政法人労働政策研究・研修機構」の両サイトから引用しますと、サラリーマン・一般の男性の生涯年収は、大卒で2億6,220万円という推計だそうです。女性では、大卒で1億9,890万円だそうです。

この推計は、「新卒で就職してから60歳で退職するまで働き続けた場合」と「転職せずに同じ企業に勤め続けた場合」のそれぞの賃金の総額を推測して算出したもの、だそうです。

(引用終了 出典:「年収ガイド」「独立行政法人労働政策研究・研修機構」から抜粋・引用 メルマガ用に調整しています)

 

「転職せずに同じ企業に勤め続ける」というのが、現実にどれほどの割合を占めているのか、わかりません。

そもそも、本人が「勤め続けたい」と希望しても、その通りにかなうかどうかわかりませんよね (^-^:)

転職したり休職したりすれば、この推計よりもっと生涯収入が下がる場合もあるでしょう(ヘッドハンティングなどで、上がる場合もあるかもしれませんが)。

 

ところで、シンガーソングライターのさだまさしさん、ご存知でしょうか?
その昔、グレープというバンドをやっていました。
さださんの曲では、「関白宣言」が有名ですね。

そのさだまさしさんが、29歳のときに「長江」という映画を製作したのですが、そのときに、何と28億円の借金を背負ってしまいました!

 

この「長江」という映画、中国で最長の川・長江(揚子江)の源流に向かって、人々や歴史を辿っていくドキュメンタリー映画です。

さださんのご両親や祖父・祖母が青春時代を中国で過ごしたことから、さださん自身、中国への憧憬が深かったようです。

映画作りは、さださんのお父さんの夢だったそうで、製作総指揮はお父さんがされたようです。

 

しかし、予想外に制作費が膨らみ、28億円という借金になってしまったとのこと。
お父さんが映画を作り、さださんが借金をした、ということのようです。

28億円の借金。
これが、利子を含めると総額35億になったのだそうです!!

 

もしこんな事態になったら、みなさんどうしますか?
とうてい、一般的な労働で返せる金額ではありません。
先の生涯年収の推計からすると、生涯年収が2億6,000万円ぐらいなんですから、その13倍以上です!

 

夜逃げするか、
自己破産するか、
最悪の場合、自分がこの世から消えるか・・・

でも、家族がいたら、自分がこの世から消えるだけではすみません。
どうしたらよいのでしょうか。

 

さだまさしさんは、この借金を、
なんと30年かかって完済したそうです!

レコードの印税ではとうてい足りず、1年にコンサートを100回やって、ひたすら借金返済に充てた。そして30年かかって、ようやく完済したのです。

ちなみに、さださんはこれまでで4,300回以上のコンサートを開催。
この4,300回というのは、前人未到らしいです。

 

なぜここまでタフに借金を完済できたのか、その心中を、インタビュアーに対してこう言っていたそうです(ご本人の言葉を、趣旨としてまとめています)。

 

さださん
「自分はメンタルが弱い人間だから、『借金を返し続ける』という『逃げ』を選んだんです」

質問
「返し続けるのが『逃げ』なんですか?」

さださん
「そうです。
例えば『自己破産する』というなら、これは『攻め』ですよ。
人生に対して、そのような『決断』をしなけばならない。
そんなこと、僕には怖くてできませんでした。
それならいっそ、『できるところまで走らせて!』というのが、僕が選んだ道です」

 

このようなことを言ったというのです。

いえいえ、決して『逃げ』ではないですよね。
もし『逃げ』だとしたら、そんな気持ちで、1年に100回のコンサートを30年続けるなんて、できるわけありあません。

 

そして、このように言ったそうです。

「走り続けている間に、どうにか返済のメドがついてきた。
銀行というお金のプロが、こちらが返せると判断してお金を貸してくれたので、こっちも『返せる』ということに賭けなきゃならない」

銀行という存在が、親身になって貸してくれたのかどうかは別として、さださんはこのように思っていたそうです。

 

もちろん、プロのシンガーソングライターですから、レコードの印税やコンサートの収益など、一般の勤め人ではとうてい稼ぎ出すことができない収入をもってして、完済したのです。

そもそも、一般人が28億円も借りられませんよね。

でも、だからといって、「シンガーソングライターだから完済できた」と言えるのでしょうか?

例えば、サラリーマンだったとして、
さださんの10分の1の、3億5,000万円の借金だったら?
100分の1の、3,500万円の借金だったら?

いずれも、簡単に返せる金額ではないでしょう。

 

借金に対峙して、返済できることを信じて、何年もかけて可能な限り努力を続ける。
そのような強靭な気持ちがなければ、返せないかもしれません。

 

さださんは、持ち前の粘り強さと、柔軟な精神、
現実に立ち向かう覚悟があったからこそ、
完済を成し遂げたのだと、僕は思います。

 

でも、このように巨額の借金返済の覚悟を思えば、
ビジネスを育てていく覚悟は、もっとワクワクする、楽しいものでしょう。

そう思って、楽しく頑張りたいですね。

 

35億円の借金を完済した男、さださんは、こう言っているそうです。

「人生は、苦しいことがあってあたり前なんです。
それを前提に生きていないと、
何か問題に直面したときに、すぐめげてしまう。
何があっても、『自分が不幸せ』だなんて思わないこと。
不幸せは、自分が『不幸せだ』と思い始めたところから始まるんですから」

 

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

さだまさしさん(@sada_masashi)がシェアした投稿 -

 

Pocket