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WordPressのカテゴリーとタグって何?
WordPressの「カテゴリー」と「タグ」は、投稿を分類したりキーワードを設定したりする機能です。
カテゴリーとタグの違いは、分類に階層構造を持たせられるかどうかです。階層構造を持たせられるのがカテゴリーで、階層構造を持たないのがタグです。
「階層構造」とは、1つの親に対して1つ以上の子を持つ構造が、枝分かれしながら広がっていく構造のことです。
例えば、パソコンのCドライブの中に「Windows」フォルダや「Program Files」フォルダがあり、それぞれのフォルダの中にさらに別のフォルダが含まれているような構造のことです。
「ツリー構造」や「木構造」とも呼ばれます。
記事をカテゴリーやタグで分類することで、同じカテゴリーやタグに所属している投稿の一覧ページ(カテゴリーアーカイブ・タグアーカイブ)を作成できます。
WordPressでWebサイトを運営している人の中には、すでにカテゴリーやタグを使って投稿を分類しているかもしれません。しかしカテゴリーやタグの分類を「何となく」使っていませんか?
投稿をカテゴリーやタグで上手に管理するコツは、設定に自分なりのルールを設けるのがよいでしょう。
決まったルールでカテゴリーやタグを設定することで、投稿の管理がやりやすくなり、訪問者にとってもわかりやすいWebサイトになり、SEOの内部対策にもつながります。
カテゴリーとタグの概念と使い方
カテゴリーとタグの特徴について、整理しましょう。
- 投稿が入っているフォルダのようなもの
- 階層構造を持った分類
- 一つの投稿に複数設定可能(推奨は1つもしくは多くて2~3個)
- 投稿につけるラベル(キーワード)のようなもの
- 階層構造を持たない分類
- 一つの投稿に複数設定可能
カテゴリーもタグも、機能としては一つの投稿に複数設定できます。
しかし、効率の良いカテゴリー設定のポイントとして、基本的には一つの投稿に設定するカテゴリーは「一つ」がよいという意見が多いです。
設定するカテゴリーを一つにすることのメリットとして、わかりやすいパンくずリストを設定できる点があげられます。
パンくずリストとは、Webサイトのナビゲーションの一つです。
上のイラストは、Webサイトのカテゴリーの構造と、それを反映したパンくずリストの構造です。
WordPressで作成されたWebサイトのパンくずリストは、このようにカテゴリー階層を反映したデザインが一般的です。イラストでも、トップページから投稿まで一直線に並んで表示されていることがわかります。
ところが、投稿に複数のカテゴリーが設定されていると、複数のパンくずリストが考えられます。
上の画像では、「委任状」のページに3つのパンくずリストが表示されてしまっています。
これは、「委任状」という投稿に「くらし」「戸籍・住民異動・印鑑証明・各種証明」「転入・転出・転籍」の3つのカテゴリーが設定されているためです。
WordPressでパンくずリストを作る方法はいくつかあり、一つの投稿に複数のカテゴリーを設定しても、上の画像のようにはならないかもしれません。
しかし、一つの投稿に複数のカテゴリーが設定されていると、「このWebサイトのカテゴリー分類はどのようなルールになっているのだろう」と訪問者が疑問に思うかもしれません。
また、複数のカテゴリ―に登録すると、カテゴリー一覧ページの内容が重複しやすくなり、重複したコンテンツとみなされるとページの評価が低くなる可能性があります。
SEO的に不利になり、最悪の場合インデックスされなくなるおそれもあります。
ですので、一つの投稿ではカテゴリーは一つ、もしくは多くても2~3個ぐらいにとどめておくべきという見解が多いです。
登録カテゴリーを絞れば、おのずとページのテーマが明確になり、テーマを明確にするとページの評価を高めることにつながるでしょう。
一方、タグは一つの投稿に複数設定しても問題ありません。
タグとして設定するのは、投稿のキーワードを設定する方法がよく使われています。
投稿を分類する時に、カテゴリーとタグのどちらで分類すればよいのでしょうか。これは悩みどころかも知れません。
例えばですが、特に細かく分類する必要がない場合は、カテゴリーのみを使ってタグは一切使わない、というルールで運用するのもありだと思います。
あるいは、SEOで上位を狙っているキーワードにタグを使って、分類はカテゴリーのみにするといった方法も考えられます。
カテゴリーとタグの使い分けでは、ルールさえ決めていれば、どのような方法で分類しても間違いということはありません。
タクソノミーって何?
タクソノミーとは、WordPressの「分類」そのものです。つまり「カテゴリー」と「タグ」はいずれも「タクソノミー」であると言えます。
「タクソノミー」という言葉の本来の意味は、「分類」「分類学」「分類法」などです。
WordPressでは、標準で「カテゴリー」と「タグ」の2つのタクソノミーしか使えませんが、タクソノミーは自分で追加できます。これが「カスタムタクソノミー」です。
例えば、WordPressで書評サイトを構築するとします。書評サイトなので、一つの投稿で一冊の「本」を紹介することにします。
「本」と一言で言っても、いろいろなジャンルや価格の「本」があります。そこで、例として「ジャンル別の分類」と「価格別の分類」の2つで管理することにします。
ジャンルについてはWordPressのカテゴリー機能を使うとして、価格の分類にはどうしたらよいでしょうか?
ここで、カスタムタクソノミーの出番です。
「価格」というタクソノミーを自分で作って、投稿に結び付ければよいのです。ここまでをまとめると以下の図のようになります。
このように、標準のカテゴリーやタグによる分類の他に、別の切り口での分類が必要になった時にカスタムタクソノミーを使います。
タームって何?
タームとは、「カテゴリー」「タグ」「カスタムタクソノミー」で分類された各分類名のことです。先ほどの書評サイトの分類を使って説明すると、以下の図になります。
図の中の点線で囲まれた部分が、タームです。
ジャンルでは「ビジネス書」「ノンフィクション」「自然科学」「コンピュータ」がタームで、値段では「~1000円」「1001円~2000円」「2001円~3000円」「3001円~」がタームです。
タクソノミーを使うと複雑な絞り込み検索ができる
カテゴリーやタグのようなタクソノミーや、自分で作ったカスタムタクソノミーを駆使することで、複雑な条件指定のサイト内検索機能ができます。
先ほどの書評サイトの場合、ジャンルが「ビジネス書」で、価格が「1001円~2000円」のようなAND条件を指定して検索することもできます。
この絞り込み検索の実体は、WordPressのループに渡すパラメーターです。指定されたタクソノミーの条件を、特定の文法でWordPressのループに渡して、検索結果表示用のsearch.phpを使って表示させます。
WordPressのループとは何かについては、当サイトの以下の記事にて解説してます。
カテゴリーの作成、削除、並べ替えなどの方法については、こちらをご覧ください。
まとめ
- カテゴリーは階層構造を持つ分類、タグは階層構造を持たない分類。
- カテゴリーは、一つの記事に一つ(もしくは多くて2~3個)設定するのがおすすめ。
- タグは、キーワードのような使い方がおすすめ。
- カスタムタクソノミーを使うと、オリジナルの分類が作れる。
- タクソノミーを駆使すると、条件検索が実装できる。